子スズメ

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](512)5/27
子スズメ

 庭の落ち葉をかき集めていたら、どこかでピーピーという鳴き声がする。その声の様子から、小鳥の雛が親鳥を呼んでいるように聞こえる。あちこち探し回っていたら垣根の外側、側溝のふたの上にスズメの雛がいた。木の上の方ばかり探していたので、あやうく踏みつけるところだった。

 いきさつはすぐにわかった。お隣の、二階の戸袋あたりにスズメの巣があり、近頃、親鳥が盛んに餌を運んでいた。スズメの雛は、そこから巣立とうとして早まったのだろうか。しかし、とても飛べそうには思えない。その成長の度合いから、巣立とうとしたのではなく誤って落ちたとしか考えられない。

 いずれにしても、このままでは野良猫かカラスにやられてしまう。なんとか巣に戻してやりたいと思い、お隣に声をかけた。奥さんが出てこられて、事情はすぐ理解いただいた。なんでも、もう一羽そのお宅の庭でバタバタしていたそうだ。そちらの方は、やがて無事飛び立っていったという。いま助けようとしているもう一羽はそれよりだいぶ小さいそうだ。成長が遅れていたが、巣立っていった方のあおりをくって落ちたのかもしれない。

 そこに、外出先からご主人が帰ってこられ、子スズメは無事元の巣に戻してもらえた。電線に止まって、固唾をのんで見守っていた親のつがいも、やがて静かになった。明日にはまた、餌をたくさん運んでくるはずである。