花々の華々しい春

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[風を感じ、ときを想う日記](499)4/6
花々の華々しい春

 サクラにはちょっぴり早いが、なにかきれいな花でも撮れないだろうかとカメラをもって出かけてみた。自宅を出て数丁も行っただろうか、さっそく濃いピンクの花に出くわした。あるお宅の庭に植えられた花モモの木だった。その八重の花びらが、大嵐一過の陽光に輝いていた。

 大通りに出てみると、並木に植えられたモクレンの花が、白から紫の種類へと世代交代しようとしているところだった。ふと、例年もっとも早く咲くサクラのことを思い出した。自分の意志とは反対に、足は自然とその方向に向かった。そのソメイヨシノは、すでに満開の時期をむかえていた。

 例年なら、少し時期をずらして咲く花たちが、今年はほとんど同時に咲き始めた。白い花、赤い花、ピンクの花そして黄色い花。名前のわかるものもあれば知らないものもたくさん咲いている。大きな木に天高く咲く花もあれば、目線に近いところで親しく私たちを楽しませてくれる花もある。

 もう少し順序よく咲いてくれれば、私たちも順を追って楽しませてもらえるのに、これでは貴重なチャンスを逃してしまう。順を追って記録しようにも、その整理に追いついてもいけない。花たちにとっては、人のことより自分たちの存在をアピールすることに懸命なのだ。

 彼女たちにとっては、春は種族繁栄のための戦争の季節なのだ。