モクレンの開花

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[風を感じ、ときを想う日記](1020)3/7

モクレンの開花

 

 ここ数日暖かい日が続いた。おかげで、せっかく咲いたカワズザクラもあっという間に散ってしまった。長い間待ちわびていたのだから、もう少しゆっくり楽しませてくれればいいのに、見ごろを迎えたとたん散り始めるのだから・・。

 

 散歩の途次、そんな不平を並べていたら、目の前に突然白い花が現われた。ハクモクレンだ。なんの予告もないまま!と今度はそういおうとしたら、それまでの記憶がよみがえってきた。この花は、ずいぶん前から寒空の下でつぼみを膨らませていた。それが、最近の暖気で一気に開花へと走らせただけなのだ。

 

 昨日は終日曇りのはずだった。それが、昼前には薄日が差しだし、やがて青空へと変わった。そうだ、あのハクモクレンの様子を見に行こう。国道1号線に通じる並木道には、白い大きな花のかたまりが続いていた。さすが木蓮といわれるだけあって、池から飛び出して枯れ木に止まったハスの花のようだ。

 

 どうしてこの道にこの木を植えたのか聞いたことはない。しかし、気がついたときには立派なモクレン並木になっていた。春先のほんの一時だが、しばらくは道行く人を楽しませてくれることになる。

 

 梅から河津桜へ、そして白木蓮へとつながれた花のバトンは、早ければ旬日のうちにも染井吉野へと手渡されることになる。花の命は短く、なんとも気ぜわしい季節だが、だからこそ名残の惜春なのではなかろうか。