脱獄・逃走劇

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[風を感じ、ときを想う日記](486)1/13
脱獄・逃走劇

 捕まった途端、「刑務所に帰る。疲れた。食べていない」といったとか。2日以上も空腹を抱え寒風にさらされていた彼にとっては、刑務所は暖かいマイホームに思えたのかもしれない。

 受刑者、脱獄犯・李国林は、11日の午前10時半ごろ広島の刑務所から消えた。大騒ぎの挙句、その54時間後、13日の午後4時半過ぎに西区の天満小学校付近でやっと捕まった。刑務所から直線にして2キロ余りの地点だった。

 「彼の足跡が残されていた辺りは川に囲まれているので、必ず近くに潜んでいるはずだ」という関係者の推測がずばり当たって逮捕へとつながった。市民だけでなく、国民の多くが心配していたがこれで一安心である。

 それはともかく、警備の厳重な刑務所からやすやすと逃げられるとは驚きだ。それもしばらくの間は逃げられたことさえ分からなかった。その後の捜索もお粗末といわざるをえない。なにしろ本川天満川という大きな川を2本も、しかもあの広々とした平和大通りさえも渡っていたのだ。関係者の推測どおり、最初に橋さえしっかり押さえておけば、どこにも逃げられなかったはずだ。

 それにしても、大都市のど真ん中にあれほど大きな刑務所があったとは驚きである。すぐにも処分して絶海の無人島に持っていけばいい。跡地は繁栄し、その処分益は多額に上る。しかも新天地の警備はずっと楽になるはずである。