降ってよかった!

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[風を感じ、ときを想う日記](453)8/21
降ってよかった!

 恒例の町内盆踊り大会は、東日本大震災の自粛ムードを受けて早い段階から中止と決定されていた。今年はそれに代わるものとして、お盆明けの日曜日に「青空スポーツ祭り」という行事が予定されていた。

 町内の運動広場に老若男女が集い、ゲームや軽いスポーツさらには模擬店などでお祭り気分を盛り上げようというものである。自治会では早くから準備に取りかかり、前日には現場にテントも張ることになっていた。男性なら高齢者も手伝えということで、私もそれなりの心づもりをしていた。

 ところが、数日前から雲行きが怪しくなり、当日は雨も心配されるようになってきた。小雨決行とはなっているが、本降りになることも十分懸念された。決行か中止か、判断は前日の昼前に下されることになった。心配されていた天気予報はさらに悪い方に傾いていった。

 前日の正午、緊急電話連絡網を通じて中止の決定が伝えられた。設備から食材まで、準備万端整った段階での、それもまだ降り出していないときの決定である。幹事たちにとっては、まさに辛く勇気ある決断だったはずだ。

 この日は朝から雨になっていた。しおれかけていた庭木も生気を取り戻している。もしこれで晴れていたら幹事たちは腹切りものである。みんなも悔しがったにちがいない。降らないでほしいから、一転、降ってよかったに変わった。