福はうち

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[風を感じ、ときを想う日記](330)2/4
福はうち

 このお寺に鬼はいないので、「鬼はそと」と叫ぶ必要はありません。遊行寺の節分は、こうして「福はうち!」という掛け声だけで豆がまかれた。豆は一握りずつ小さな紙袋に入れられている。押し合いへしあい、大変な思いでやっと4袋をゲットできた。

 昨年は、素手で立ち向かったので、こぼれ球を1袋拾うのがやっとだった。そこで、今年はクリーニング屋からもらってきた針金の衣紋掛けを“道具”に加工してみた。エモンカケの、三角形の底辺中央部を下に引っ張ると菱形になる。それに洗濯用のネットをかぶせたると、金魚をすくえるくらいのタマができた。フックの部分には粘着テープを貼って取手がわりにした。

 実は先週、メガネを折損して新しいものを注文していたが、前日に出来上がり引取ってきたばかりである。しかし、新しいメガネをかけて出かけた途端、人波に揉まれてまた壊してしまったというのでは笑い話にもならない。やはり自宅に置いてきたのが正解だった。現場はまさに戦場だった。家内ももう1個のタマを振りかざしていたが、結局なにも手にすることはできなかった。

 4袋を分けあって、ボリボリ頬張りながら帰途についた。それぞれ福が2つずつ、今年はいっそう福々しくなりそうだ。