節分

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[風を感じ、ときを想う日記](243)2/3
節分

 ぽかぽか陽気に誘われて、片道40分の遊行寺までウォーキングの足を伸ばしてみた。ここは、時宗の総本山として知られる立派なお寺である。

 節分のこの日、豆まきが行われると聞いて出かけたものである。広い境内にやぐらが組まれ、大勢の人がそれを取り囲んで時間が来るのを待っていた。ここでは、福は内とはいっても、鬼は外とはいわないそうだ。そんな説明を聞いているうちに、御祈祷を終えたお坊さんたちがやぐらに上ってきた。

 紙袋に入れられた豆が次々と撒かれる。紙袋はちょっとした大きさがあるで、撒くというより投げるといった方が当たっている。投げられるたびにみんなが一斉に手を差し出す。なかには、帽子や袋あるいは籠まで用意している人もいる。それでも、その半分くらいは受け取り損ねる。それをまたみんなで奪い合う。けが人が出ないのが不思議なくらいである。

 あきらめて、後ろの方でその様子を見物していたら、目の前に一個落ちてきた。誰も拾う人がいなかったので、ありがたく頂戴することができた。中には、20粒ばかりの炒った大豆が入れられていた。本当は年の数だけ食べるものだといわれているが、一年分の福を招くにはこれで十分である。

 紙袋の中には、福引きの当たり券も入っていることがあるという。しかしそこまで欲張ると、せっかく手にした福まで逃げていきそうである。