第3のモンゴル男

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[風を感じ、ときを想う日記](273)5/25
第3のモンゴル男

 「うれしいです」「うれしいです」「自分の相撲を思い切ってとっただけです」「ほんとにうれしいです」。優勝決定戦で、白鵬を下手投げに破って初優勝を果たした日馬富士は、インタビューでこう答えた。これで、彼は第3のモンゴル男の地位を確実にしたばかりか、次は綱とりの場所としてファンに大きな期待を寄せられる存在となった。

 白鵬朝青龍琴欧州それに当の日馬富士、今場所を盛り上げた上位4力士はいずれも外国人である。琴欧州は結果的には9勝6敗に終わったが、14日目に連勝街道驀進中の白鵬に土をつけ、場所を一気に盛り上げた功績は大きい。これに対し、残り3人の日本人大関はいずれも8勝7負という無様な成績であった。この4人の外国人がいなかったら、相撲界は今頃どうなっていたろう。

 そんななか、初めての外国人力士である高見山、いまの東関親方が定年退職することになった。武蔵丸小錦などのハワイ出身力士に道を開き、曙を自身の手で横綱にまで育てあげた。彼の勇気がなかったら、いまの大相撲の発展はなかったかも知れない。

 来る人がいれば去っていく人もいる。さみしくなるのはやむをえないが、せめて彼の愛弟子・高見盛には頑張ってもらいたいものである。