星取り競争

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[風を感じ、ときを想う日記](1050)7/19

星取り競争

 

 ホームラン競争の次は星取り競争で日本中が湧いた。大相撲名古屋場所の千秋楽、相撲ファンの目が土俵上に釘付けになった。「エッ、まだ居たんだ!」と思われていた白鵬と、横綱昇進を確実にしている照ノ富士との全勝決戦である。「いまじゃ、照ノ富士の方が上だろう」などと気楽な気分で見ていたが、やはり勝負はやってみなければ分からないものだ。

 

 白鵬は、14日目に続いて立ち会いから奇策を弄するのではないかとも思われていたが、案外まともに立った。しかし、そのあとは反則すれすれ、第一人者とは思えないような取り口で全勝優勝をもぎ取ってしまった。なりふり構わないやり方とも思えるが、その勝負への執念は久しく接したことのないものすごいものであった。勝負師は、プロは、やはりこうでなくてはならない。

 

 そして、もう一方の照ノ富士は、一敗を喫したとはいえ直前の3場所で38勝7敗、優勝-優勝-準優勝というきわめつきの優秀な成績で横綱を手にすることになった。地上の星ならぬ天空の巨星としいて輝き始めたわけである。

 

 今場所は、横綱不在が続いたあとだけに、観客の期待は大きかった。そしてそのとおり、両者が土俵を引き締め盛り上げてくれた。それに続く力士たちも、この全勝決戦を見習ってこれからいっそうガンバってほしい。