天空に返り咲いた星

f:id:yf-fujiwara:20210329170438j:plain

f:id:yf-fujiwara:20210329170717j:plain[風を感じ、ときを想う日記](1025)3/29

天空に返り咲いた星

 

 かつて、この関取りのことを二度書いた。「地獄を見てきた元大関の優勝」と「元大関地上の星」という小文である。そして今回、どうしても三本目を書きたかった。三度目の優勝と大関復帰を確実にした関脇照ノ富士のことである。

 

 彼は、2017年11月場所後に大関から陥落し、とうとう西序二段の48枚目まで落ちた。復帰後は急上昇を遂げ、2020年7月場所では東前頭17枚目まで戻って13勝2敗で優勝した。2020年11月場所は小結で13勝2敗、2021年1月場所は関脇で11勝4敗、そして今場所も関脇で12勝3敗の成績で優勝した。

 

 彼は、両膝のほか、腎臓や肝臓にも疾患を抱え、膝は3度も手術をしたが完全回復にはほど遠いという。身体面の損傷を修復しつつ、その機能を維持、向上させていくのは並大抵の努力ではなかったはずである。彼は、「元の自分に戻れた。これからも、いい相撲を取っていい姿を見せたい」といっていた。

 

 あのとき、地上の星としてあげた4人の元大関のうち、いまも活躍しているのは栃ノ心、高安、そして照ノ富士の3人である。今場所の成績は、栃ノ心が前頭7枚目で7勝8敗と千秋楽で負け越しとなってしまった。小結高安は中盤までトップを走りながら、最後は3連敗と崩れて10勝5敗となった。

 

 それでも、この2人にもぜひ天空の星として返り咲いてほしい。また照ノ富士には、あらゆるハンデを乗り越えてこれからも素晴らしい相撲を見せてほしい。