野放しのシクラメン

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](255)3/19
野放しのシクラメン

 シクラメンを片づけたのは去年の5月半ばだった。前年の12月から、半年間も私たちを楽しませてくれたのに、とうとうお別れのときがきたのだ。お別れといっても、枯れてしまったシクラメンの鉢を、西側の軒下に放置しておいただけである。そこは、わが家で一番目障りにならない場所である。

 従来は、枯れた株を鉢から取り出して生ゴミにしていたが、今回はなぜか捨てることができなかった。夏が過ぎ、秋が深まるころその株から新芽が出てきた。ヘー、強いものだなあと思っていたら、葉っぱがどんどん伸びて鉢いっぱいに広がった。

 しかし、町の花屋にシクラメンの香りが漂うころになっても、古い鉢の株からは花が出てくる様子はなかった。やっぱり二年越しの株は花までは無理なのだろうか。それでも、いろいろ調べていたら、本来の花の時期は2月から3月だということを知った。

 日当たりのいい場所に移された古株は、節分のころからピンクの花芽を見せるようになった。そして春本番を迎えたいま、彼女たちもわが世の春を謳歌している。残念なのは、花と葉っぱがバラバラな方向を向いていることだ。どうやら、成長期に勝手気ままにさせていたせいらしい。

写真:右は花屋で買った新しい鉢、左は野放しの古い鉢