九月のかおり

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](763)9/11
九月のかおり

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 
 ・・・昼間が短くなって夜の長さに並ぶころ、地中から茎が伸びてその先端に真っ赤な花を咲かせます。彼岸花とも呼ばれるこの花は、実は大変興味深い生き方をしているようです。

 彼女らは、その花がしぼみ、茎が枯れてしまうと、今度はいきいきとした葉っぱを伸ばしてきます。周りの草が枯れてしまった広い空間で、たっぷりと陽光を浴びて冬を越します。春になって、雑草たちが生存競争を始めるころ、自らは葉っぱを枯らして夏の休眠に入ります。そして、秋の彼岸に入るころ、茎は一気に土を割り天に向かって伸びていきます。

 私たちの旅路は、やっと道半ばを過ぎたばかりですが、もう誰にも遠慮はいらないはずです。これから先、このような普通とは逆の生き方をしてみるのも一興かもしれませんね。・・・

 その彼岸花にお目にかかるには、彼岸ごろまで待たなければならないと思っていた。ところが、3日前に近所で二本だけ顔を出しているのを見つけた。特殊な生き方をする中にあって、さらに個性的な生き方をするものも多いようだ。

 そんなことから、その花の呼び名も、曼珠沙華、幽霊花、死人花、捨子花、地獄花、剃刀花、などなど、1千種を越えるといわれるほど多種多様である。