十五夜の邦楽の夕べ

イメージ 1

イメージ 2

[風を感じ、ときを想う日記](764)9/17
十五夜の邦楽の夕べ

 十五夜の邦楽の夕べを近くの白旗神社で楽しんだ。去年は、旧暦9月の十三夜の夜だったが、今年は1カ月早い中秋の名月のもとでの演奏会となった。去年の、あの冷えびえとした夜気の中では、それなりに身体にこたえた。しかし、新暦の9月中旬なら、そんな寒さは心配なくゆっくりと楽しむことができた。

 ところで、白旗神社に着いてみると、広場に設置されているはずの特設ステージが見当たらない。なんと、演奏機材はすべて毘沙門天の祀られている別棟の社殿にセットされていた。この日も心配がぬぐいきれない秋雨を避けるためだという。もちろん、期待の満月は厚いベールに包まれたままだった。

 今年で8回目になるという演奏会は、いつもの3人で構成されていた。琴のNobuko(馬場信子)さん、尺八の善養寺恵介さん、それにパーカッションのよしうらけんじさんだった。いずれも、世界に通用する有名な奏者だそうだ。

 ところで、邦楽を代表する琴と尺八の組み合わせはもちろん素晴らしいが、それにパーカッションの加わった異色の三重奏はさらに興味深い。その絶妙なハーモニーで、私たちを異次元の世界へといざなってくれた。

 十五夜の満月を期待して出向いたが、月が顔を出したのはほんの一瞬だけ、あとは分厚い雲に閉ざされた闇夜の演奏会となった。しかし、それがかえって幻想的で、松明とスポットライトの明かりが幽玄の世界を演出してくれた。