たいしょ

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[風を感じ、ときを想う日記](184)7/22
たいしょ

 下駄の寸法は、7寸7分が一番おなじみだそうだ。雪の上を下駄で歩くと、二の字二の字の跡がつく。そんなわけで、7月22日は下駄の日だそうだ。全国木製はきもの業組合連合会という団体が、下駄の振興の日と定めたのだという。

 そういえば、今日から始まる七十二候の初候は、桐始結花(桐の実がみのり始める)の時期といわれている。偶然かもしれないが、下駄の最高級品は桐製である。これもまた奇遇だが、NHK総合のお昼の番組では、茨城県の桐下駄の工場を訪ねていた。

 今日とこれからの半月間は、二十四節気でいう大暑に当たる。昨日までの小暑とあわせ、前後一ケ月間が一年で一番暑い時期とされている。暑中見舞もこの時期に出すのが慣例である。ついうっかりして立秋を過ぎれば、文面は残暑見舞いとなる。

 こう暑いと、Tシャツに短パンでゴロゴロしたくなる。しかし、糊のきいた浴衣も捨てがたい。せめて夏まつりのときくらい、伝統産業に協力してクラシックな格好にこだわってみるのも悪くないのではないか。

 赤い鼻緒の桐の下駄には、色白の素足がよく似合う。うちわ片手に、打ち水された朝顔の脇に立てば、それだけで一幅の絵になるはずだ。昔は娘だったという人でも、武久夢二の世界に一歩近づけるのではなかろうか。