北のサクラ

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[風を感じ、ときを想う日記](159)4/24
北のサクラ

 昨日は、旭川でもサクラが開花したそうだ。観測史上もっとも早い記録だという。札幌や函館の開花は数日前、弘前にいたってはもう満開を過ぎてしまったと聞く。関東から北は、平年より10日くらい早まっているようだ。

 例年、サクラはゴールデンウィーク津軽海峡を渡るといわれている。そのため、角館や弘前城、さらには海峡を隔てた五稜郭などのサクラの名所は、この時期おおいにごった返すことになる。

 いま私の手元には、旅行社の分厚いパンフレットがある。津軽海峡を挟むこれらの地域のモデルルートは、趣向を変えて何種類も用意されている。「東北みちのく三大桜めぐり・・」「弘前城夜桜見物と・・」、料金も平時に比べ倍近い値段である。

 ところが今年に限っていえば、早くから予約していた人たちは、特別料金を払って葉桜を見物することになる。これで雨にでもたたられたら踏んだり蹴ったりである。水溜りに吹き寄せられた花びらもまた一興などといってみても、やはり花は木にあってこそ華である。

 季節商品、とりわけ賞味期限の極端に短いサクラ見物の類は、消費者はもとより観光業者にとってもきわめてリスクの高い商品である。桜前線の動きと、お天気の長期予報を見ながら、ぎりぎりのところで決断するのが肝要である。

 桜前線の追っかけなど、所詮、毎日が日曜日の人にしかできない贅沢なのかもしれない。