みちのく花見旅

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[風を感じ、ときを想う日記](634)4/29
みちのく花見旅

 この、日曜、月曜の二日間、みちのくのサクラの名所をゆったりと巡ってきた。サクラの開花状況とその日のお天気は、直前にならないとはっきり分からない。その一方、ゴールデンウィークだけに、交通手段とホテルは早めに手配しておく必要がある。今回は、その賭けにうまく勝つことができた。

 まず、東北新幹線の320キロ特急「はやぶさ」で岩手県の北上へと向かった。この北上川沿いの北上展勝地(てんしょうち)とよばれる景勝地には、サクラの古木が2キロにわたって連なっている。花は満開をやや過ぎていたようだが、その分、蘭熟した艶姿と薫風に舞う花吹雪が見事であった。

 バスは山脈を越え、秋田県の古都・角館へと向かった。いまも大切に保存されている武家屋敷の街並と、ちょうど満開となった枝垂れ桜が優しく迎えてくれた。ソメイヨシノの派手な姿とちがい、なんとも優雅で柔らかい雰囲気が、武家屋敷の黒塀によくマッチしていた。この日の宿は岩手県の雫石とした。

 二日目、今回の旅のハイライトは、本州最北のサクラの名所、青森県弘前城址であった。お濠に架かる朱色の欄干、その向こうに天守閣がそびえる。満開直前の花々が、それらを覆い隠さんばかりに咲き乱れる。ゴールデンウィークのころ、例年、テレビで放映されるあの風景が目の前に広がっていた。

 新青森からのはやぶさは、みちのく花見旅の余韻を存分に楽しませてくれた。