マンサク

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[風を感じ、ときを想う日記](141)2/16
マンサク

 マンサクの花が枝いっぱいに咲いている。「まず咲く」が訛ってつけられたとも、豊年満作に由来するともいわれている。その年の作柄を、花のつけ方によって占う由緒正しい花木である。

 昨年のいまごろ、近くの城址公園を散策していたら、公園の隅に2本並んで植わっているのを見つけた。平素なら見過ごしてしまいそうな、なんの変哲もない雑木である。人の手で植えられたのか、偶然そこに自生していたのか、雑木林の始まるすぐ際に無造作に突っ立っていた。

 今年もぼつぼつではないかと訪ねてみたら、ちょうど見頃を迎えていた。4枚の黄色い縮れた花びら、その中心部は赤褐色をしている。落葉樹なのに、枝にはたくさんの葉っぱが残されたままである。

 ロウバイに代わって咲き出したように見えるが、同じ黄色でもロウバイは冬を彩る花でありマンサクは春を呼ぶ花である。サザンカ冬の花であっても、同種のツバキは春の花であるのと同じような関係にあるといえよう。

 立春を境に、季節は大きく動き始める。寒風にたたずむサザンカロウバイは、人々に希望と忍耐を教える。陽光にきらめくツバキやマンサクは、万物に勇気と躍動を呼びかける。

 マンサクの花言葉は「幸福の再来」である。