十一月の風

[風を感じ、ときを想う日記](1149)11/4

十一月の風

 

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 

 ・・・立冬を前にサザンカが咲きはじめました。この花、漢字では山茶花と書きますが、どうひねってみてもサザンカとは読めません。実は、最初はサンサカと呼びそのとおり山茶花と書いていたそうです。それが、いつの間にか山と茶がひっくり返って茶山花となり、発音もサザンカと呼ぶようになったようです。ところが、呼び名はサザンカのまま定着したのに、漢字はいつの間にか元の山茶花に戻ってしまったのだそうです。

 

 そのサザンカの本家筋はツバキです。ところが、あの花は散るとき首からポトリと落ちるので、昔は武士から忌み嫌われたそうです。そのツバキに先駆けて咲き、終わるときはパラパラと散らすサザンカを、初冬の貴重な花として愛でてあげたいですね。・・・

 

 十一月になって、やっとあの赤い花が見られそうになってきた。そうはいっても、この周辺はまだ固い蕾ばかり、開花にはもう少し時間がかかりそうだ。それでも、歌謡曲に“赤く咲いても冬の花 咲いてさびしい・・”とあるように、寒さと寂しさを連れてきそうなので、そんなに急いでもらうこともなさそうだ。

 

 その点、同じ種類でも白い花はもうだいぶ前から咲きだしている。このところ好天続きなので、もうしばらくは白い花に頑張ってもらうことにしたい。