[風を感じ、ときを想う日記](950)2/25
遅咲きのウメ
今月に入って早々、“春間近かの花”と題して早咲きのウメのことを書いた。あれから3週間あまりが経った。あの当時、近隣にはたくさんのウメの花が咲いていたが、いまも周りはウメの花だらけである。あのときが第一波だとすれば、いまは一周遅れの第二波が押し寄せているということになるのだろう。
わが家には、ウメは2本あるが、いずれもいまが満開である。一本は、思いのままという種類である。白とピンクに、思いのまま咲き分けることからそう呼ばれるようになったようだ。花はきれいだが、そこで終わりで実をつけることはない。わがままな性格のためか、花の数もかなり少ないようだ。
もう一本は、豊後ウメという種類である。その名のとおり大分県に由来するようだ。木は大きくなり、薄いピンクの花を沢山つける。もちろん実も山ほどみのらせる。梅酒やジャムの材料として、わが家に収穫の喜びをあたえてくれる。花の数ももちろん多く、まさに花も実もあるありがたいウメの木である。
これら二つのウメの花を、背後から支えているのがツバキの仲間である。紅、ピンク、そして紅白まだらの三種類がある。つやつやの葉っぱが特徴で、花は長続きはするがあまり目立ちはしない。そして、いつの間にか静かに去っていく。
やがて晩春が近づき、花のバトンがツツジやハナミズキに渡されるころ、寂しくなったウメの枝はさわやかな新緑で化粧直しされることになる。