[風を感じ、ときを想う日記](140)2/15
二週間のご無沙汰
母が、立春を前に体調を崩して入院した。心臓が少々くたびれていたようだ。それはそうだろう、なにしろ91年間も、いっときの休みもなしに働きつづけてきたのだから。
それにしても、心臓などというのは、なんとも丈夫にできているものだ。半世紀を超え一世紀近くも、たいしたメンテナンスもないまま動きつづけてくれる。驚異という以外、当てはまる言葉も見あたらない。
わが家の古ぼけた冷蔵庫は、そこに座りつづけて四半世紀になる。いまも、昼夜を問わずご主人さまの餌の見張りに余念がない。いつも、たいしたものだと感心しているが、人の心臓に比べればまだ月とスッポンの開きがある
さいわい、母は治療のかいあって、13日後には退院することができた。帰郷して近くで見守っていた私も、バレンタインデーには安堵の帰宅をすることができた。
今年の、立春を過ぎての2週間は、寒さが底を這いつづけた。日ましに日照時間が延び、光が輝きを増しているというのに、北の寒気団が居座りつづけているためだ。
それでも、季節はそれを待ちきれず、来週には春の暖かさが顔を出すという。