[風を感じ、ときを想う日記](112)8/31
アオイ科
5枚の大きな花びら。その中心から突き出るブラシのような花芯。多少の例外はあるが、アオイ科の花に共通した装いである。
そんな個性的な花が、梅雨から秋口まで入れ替わり立ち代り私たちを楽しませてくれる。最初に登場するのがタチアオイである。まっすぐ伸びた茎に、下から次々と花をつける。一番てっぺんまでたどり着いたら梅雨が明けるという。
次に現れたのがムクゲの仲間たちである。夏の暑い盛りに咲き誇り、残暑が峠を越えるころフヨウたちと入れ替わる。そして、暑いところにしかないはずのハイビスカスが普通に見られるようになった。温暖化のせいだろうか。
実は、これらの花たちは全部アオイ科の仲間である。その中心的なグループがフヨウ属(ハイビスカス属)である。ケフナ、モミジアオイ、ハマボウ、フヨウ、スイフヨウ、ムクゲ、それにハイビスカスなどがそのメンバーである。
別のグループでは、先にあげたタチアオイ属のタチアオイ、ワタ属のワタ、そして意外なのが食用になるオクラ属のオクラである。
聞くところによると、アオイ科の仲間はグループの数にして80属前後、種類にして1,500種くらいはあるそうだ。
アオイ科の植物は、鑑賞用、繊維用、そして食用にと、私たちの生活に欠かせない大切な花である。