橋の崩落

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[風を感じ、ときを想う日記](108)8/3
橋の崩落

 昨日、アメリカのミシシッピ川にかかる高速道路の橋が一瞬にして崩落した。夕方のラッシュ時であったため、事故に巻き込まれた車両は約50台に上り、数十台が水没したままになっている。犠牲者も多数に上るものと予想される。

 この橋は、1967年に造られた鋼鉄製、往復8車線もある大きなものである。構造的な欠陥や振動による金属疲労など、事故原因もいろいろ取りざたされている。設計、施工、維持管理のあり方まで、徹底的な原因究明を期待したい。

 ところで、私の書いたエッセイに、アメリカの高速道路についての記述がある。・・アメリカの高速道路を走っていて、路面がひどく荒れているのに驚かされる。この国の高速道路の総延長は9万キロ弱、日本の12倍にあたる。その大半、8万4千キロは通行料がタダである。この国がいくら豊かといっても、これだけの道路をすべて税金で維持するのは容易なことではあるまい。(2006年5月27日「ボストン・コモン」)

 日本にも、高度成長の波に乗ってつくられた建造物は多い。つくる時は単年度予算でどんどんつくれるが、それはそのまま累積され維持管理すべき対象は加速度的に膨らんでいく。つくる時は、構造も予算措置も、向後数十年にわたる維持管理を前提に計画しなければならない。

 立派な遺産であっても、後世に残すつけは最小限にとどめるべきである。