笹子トンネルの天井崩落

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[風を感じ、ときを想う日記](544)12/3
笹子トンネルの天井崩落

 体育館やプールなど、大きな空間の天井が落ちたという話はよく耳にする。しかし、中央高速の笹子トンネルの天井まで崩落するとは驚きである。

 いったい、なぜコンクリートの天井板が落ちたのだろう。関係者は、「まさかこんなところが」に続いて、トンネル本体に埋め込んであるボルトが抜け落ちたためのようだと説明している。永年受け続けてきた振動や、ボルトそのものの腐食で、保持する力が弱くなっていたのではないかとしている。

 そうであれば、トンネル本体に埋め込んであるボルトを単なるI型でなくL型のような引っかかる形状にしておけば、少々緩んでも抜けおちなかったのではないか。そんなことより、天井板になぜあんな重いコンクリート板を使ったのだろう。もっと軽くて丈夫で燃えない素材はいくらでもあったはずだ。

 そもそも天井板など本当に必要だったのだろうか。天井裏は換気装置のためだというが、それなら天井に強力なファンをつけるだけで間に合うではないか。たしかに、対面通行や今回のような長いトンネルでは、技術的な課題も多いかもしれない。しかし、いまの技術水準なら必ず克服できるはずである。

 このような危険な天井板は即刻取り外し、新しい換気装置を設置すべきだ。今回の事故は、維持管理に責任追及の目が向けられているようだが、もっと設計・施工段階に注目すべきと考える。