鯉たちの恋の季節

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[風を感じ、ときを想う日記](88)5/6
鯉たちの恋の季節

 薫風に誘われ、いつもの引地川親水公園に出かけてみた。この川も、多くの河川と同じように両岸は石垣でがっちりと固められている。しかし、公園部分の一部、片側約1キロは遊歩道からゆるやかなスロープでそのまま水面に下りることができる。さすが、親水公園の名に恥じない設計である。

 夏草の伸びはじめたその斜面に腰を下ろすと、あたりはすでに草いきれにつつまれていた。遠くに望める里山の緑は、いつの間にかその濃さを増している。水面にきらめく陽光は、すでに初夏であることを伝えている。

 ふと、その川面がいやに賑やかであることに気がついた。よく見ると、川の浅瀬で大きく成長した鯉たちがじゃれあっていた。5匹10匹と、あちこちで群をなしてぶつかったり飛び跳ねたりしている。あたかも、里帰りした鮭たちの、産卵の光景のようである。

 さっそく自宅に帰って調べてみた。5月上旬の、鯉のぼりの上げられるいまの季節は、鯉たちの恋の季節でもあった。それにしてもその騒々しいこと、春先の猫も顔負けである。