[風を感じ、ときを想う日記](89)5/10
メイストーム
きょうの午後から夜中にかけて、関東地方は5月の嵐に襲われるということであった。大雨、落雷、突風、そしてヒョウまで予想されるという。雷をことのほか怖がる愛犬とともに、しっかりと身構えてその襲来を待った。
この時期の嵐といえば、メイストームという言葉が想いおこされる。昭和29年の5月9日から10日にかけて、低気圧が日本海で急速に発達し北海道へ向かった。952ヘクトパスカルにまで発達した低気圧は、サケ・マス漁船の乗組員などを襲い361名もの命を奪った。以来、メイストームと呼ばれ、特別に恐れられるようになった。
今夜のニュースでは、落雷こそ各地で多発しているが人的な被害にまでは至っていないようだ。明日には爽快な青空が広がるだろうという。あと半日、なんとか平穏に夜明けを迎えたいものである。
このところ、大手企業の役員人事が毎日のように新聞をにぎわしている。3月決算企業が、6月末の株主総会にむけて内定したものである。順当なものもあれば、大揉めのすえやっとまとまったサプライズも相当あるはずだ。天候と違い、こちらは多少波風が立ったほうが将来の地固めになるのではなかろうか。
ところで、“メイストーム”であるが、英語の辞書には出てこない。どうやら半世紀前に生まれた和製英語のようだ。