[風を感じ、ときを想う日記](67)1/28
トシコ・アキヨシ
昨夜、BS放送で秋吉敏子さんのコンサートを見た。彼女のデビュー60周年と渡米50周年を記念してのチャリティーコンサートであった。昨年12月4日にサントリーホールで収録されたものである。
出演は、彼女とこの日のために再結成された「トシコ・アキヨシ・ジャズ・オーケストラ」である。ゲストには鼓の人間国宝まで招かれ、コンサートをいっそう厚みのあるものにしていた。
番組では、彼女の夫でありサックス奏者であるルー・タバキンさんが奏でるフルートと、鼓や和太鼓とのコラボレーションがとくに感動的であった。ほほえましかったのは、彼女が以前に作曲した「HOPE」という曲にあらためて詩をつけ、それを娘のMonday満ちるさんが歌ったことである。
世界的なジャズピアニストである秋吉敏子さんは、紫綬褒章などわが国でも大きな賞を受賞しているが、昨年10月には米ジャズ界の最高栄誉賞である「全米芸術基金ジャズマスター賞」を受賞した。
彼女もすでに77歳、無理のきかない年齢になりつつある。彼女の結成したジャズオーケストラもすでに解散し、彼女も普段は第一線からは退いている。しかし、彼女は日本にとっても宝である。たまには、こうしてみんなの前に元気な姿を見せてもらいたいものだ。
私は、3年前に書いた「ニューヨークのお宝」というエッセイで彼女のことについて触れた。触れたというより、ほとんどが彼女のことになってしまっている。別項にあらためて掲載するのでぜひ一瞥いただきたい。