小春

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[風を感じ、ときを想う日記](53)11/21
小春

 今日から旧暦の10月に入る。今日は、朝から久しぶりによく晴れ上がり、うららかな一日になりそうだ。

 近所のけや木並木はすっかり色づき、盛りを過ぎようとしている。いまは、ハゼノキが八分がた色づいて、その存在を真赤になってアピールしている。これから、銀杏の黄色、カエデの朱色へと移っていく。

 旧暦10月は、別名を小春または神無月という。手元の国語辞典(金園社)をみてみると、小春とは「旧暦十月の異名」とあり、「小春日和をIndian summer という」という補足説明がついていた。

 ついでだから、コンサイス英和辞典をひらいてみたら、Indian summer とは「晩秋初冬の暖かい日より続き。小春日和」とあった。さらにイギリスでは「St. Mar-tin’s Summer=11月11日聖マーティン祭のころの晴天」というと補足されていた。洋の東西を問わず、この時期はうららかな日が多いようだ。

 わが家にある広辞林(三省堂)をみると、そのうららかさがさらに鮮明に読み取れる。「小春=陰暦十月の別称」、「小春空=小春のころの空」、「小春凪=小春のころの海のなぎ」、「小春日=小春のころのうららかな天気」、「小春日和=初冬のころの春のような温かい日より」。

 その広辞林によると、神無月は古くは「醸成月=かみなしづき」あるいは「雷無=かみなしづき」とも書いたそうだ。ちなみに、神無月は「俗説には、この月、八百万(やおよろず)の神が出雲大社に集まり不在となるので」と補足説明されている。

 いずれにせよ、しばらくは平穏な日々が続くことを期待したい。