ザルギク

[風を感じ、ときを想う日記](1151)11/11

ザルギク

 

 秋雨前線と入れ替わるように、紅葉前線が北からゆっくりと南下しはじめ、近在でもハゼウルシが朱色に変わりはじめる。そんななか、町内ではザルギクの名所が見ごろを迎える。今年も見に行かなきゃあと思いつつ、雑用が重なってなかなかその機会を見いだせないでいた。今日、やっとそのチャンスに巡り会えた。それも、これ以上無いといううららかな小春日和に恵まれてのことである。

 

 やっぱり満開だった。赤、黄、そして白。ザルを被せたような小さなキクの花のかたまりが、何十株という単位で縦横きれいに並べて植えられている。全体では一体何千株になるのだろう。一坪あたり15~20株、それが300坪の畑に植えられているとすると、5000株前後が満開を迎えていることになる。

 

 ただ、ちょっと気になることがあった。ある部分、全体の20%くらいの株が小さくなるか無くなってしまっていた。勝手な推測だが、持ち主がご病気だったかあるいはご高齢となって、十分に手入れできなかったのではなかろうか。「来年こそは」のフレーズが、訪れる人共通の願いになったのではなかろうか。

 

 この日は、天高く晴れ渡り、風もまったくないうららかな日和だった。旧暦では、十月を小春と呼ぶことがあり、この時期のこんなうららかな日を“小春日和”と呼んでいる。その今日は、偶然にも世界平和記念日だそうだ。まさに、“うららか”はもとより、“世界平和を謳歌する日”に相応しいお天気だった。