ニューヨーク・普通の生活の日記⑭(6/6)「休養」

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[エッセイ 134](新作)
ニューヨーク・普通の生活の日記⑭(6/6)「休養」

 成田を発ってマル2週間、さすがに疲れが出てきたようだ。今日はマンションでゆっくり過ごすことにした。

 このマンション、実は築86年だそうだ。なるほど、外壁の最上部に、このビルが建てられた年「1920」という数字が大きく刻まれていた。古いとはいえがっしりとした造りで、滞在中隣室から物音が聞こえてきたことはなかった。

 立地は、ニューヨーク郊外、メトロ・ノース鉄道の「タカホ」という駅のすぐ前にある。その6階建ての最上階に位置するこの部屋は、30坪以上はありそうだ。2LDKの間取りに仕切られているが、天井が高く一部屋あたりの面積は日本のそれの1、5倍くらいはある。

 驚いたことに、大型のバスルームが2つもある。もちろん、それぞれに洗面カウンターとトイレが併設されておりスペースもゆったりとしている。さすがに、この家ではバスタブの一つは物置にされていた。

 この部屋には、冷蔵庫や食器洗浄機などの台所設備はもとより、洗濯機と衣類乾燥機も必需品として大型のものが据え付けられていた。もとより、冷暖房や給湯は24時間自由に使える。

 お嫁さんは、この国の人は駅までの距離と家の日当たりについてはまったく気にしないといっていた。アメリカが完全な車社会であること、そして美観上、ふとんや洗濯物を屋外に干せないことがその一因になっているようだ。

 気になる家賃であるが、電気、水道、ガス、それに駐車場代まで込みで、月約40万円だそうだ。やや割高な感じもするが、日本企業が駐在員を安全に住まわせようとすれば、これくらいは当然のコストのようである。

 この国でも、ごみはリサイクルを前提にきちんと分別する決まりになっているそうだ。しかし、ファーストフード店では、ごみは無造作に捨てられている。住宅街を散歩していても、なぜかあまり気にしていないように見える。

 一方、スーパーのパッケージはきわめて簡略で、ごみは出にくい仕組みになっている。分別が大切なことに異論はないが、日本でも、ごみをもっと少なくすることに優先的に取り組むべきではなかろうか。

 この日も午前中は、お嫁さんとともに近くの「Trader Joe’s」という小型スーパーを覗いてみた。日本へのお土産も、少しずつ買いはじめることにした。

 午後は、日本人の子供たちの会「ひよこの会」でお祭りをやると聞き出かけてみることにした。近所には、日本人のための、日本人による、日本語の教会があり、今回はそこを会場として借り受けたという。

 日本人のおじいちゃんは珍しいのか、子供たちから予想以上に歓待された。

[写真は、子息のマンション]