ニューヨーク・普通の生活の日記⑯(6/8)「グラジュエイション」

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[エッセイ 136](新作)
ニューヨーク・普通の生活の日記⑯(6/8)「グラジュエイション」

 息子は今日、子供と親のために休暇をとってくれた。

 上の孫娘は、今日がナーサリースクールのグラジュエイション(卒業式:Graduation)である。まずは、聖堂で牧師のお説教を聞いた。卒業生は、午前のクラスと午後のクラス、合わせて20人ほどであるが、父兄が3、4人ずつついているので参加者は結構な数にのぼった。

 講堂に移った卒業生たちは、簡単なセレモニーのあと、園長先生から卒業証書と記念のメダルを授与された。いたって簡素であるが、これが普通のようで、なにもやらないところもあるという。孫は、修学までまだ1年あり、夏休みの終わった9月からは幼稚園(Kindergarten)に行くことになっている。

 今日は孫のお祝いの日であり、私たちおじいちゃん、おばあちゃんにとってはニューヨーク最後の日になるので、豪華なところで昼食をとることにした。ニューヨーク一うまいというそのステーキハウスは、ピーター・ルーガー・ステーキ・ハウス(Peter Luger Steak House)といい、マンションから1時間もかかるブルックリンにあった。

 一人で歩くにはちょっと怖い土地柄であるが、そこになぜか一軒だけその評判のお店はあった。1887年の創業というから、後年気がついたらそうなっていたということかもしれない。そこで、ボリュームたっぷりのティーボーン・ステーキをほおばった。

 マンションからさらに10分くらい走ったところにそのゴルフ場はあった。サクソン・ウッズ・ゴルフ・コース(Saxon Woods Golf Course)というそのコースについたとき、朝からの雨はすっかり上がっていた。親子二人分の料金66ドル(約7700円)を払い、靴だけ履き替えてそのままコースに出た。

 ここは、北海道のコースをやや狭くしたようなおもむきである。フェアウェイもグリーンも、すべてがベント芝で、ラフはかなり粘りついてきた。前後に他のプレーヤーの姿は見られない。息子の持ってきた一そろいの道具を、二人で交互に使いながらどんどん廻った。午後3時ごろスタートしたが、途中で休憩も取らなかったため7時半頃には18番にたどり着いた。

 息子は、ゴルフについては今まで本気で取り組んできたことはなかったようだ。バッグに入っていたパターが、私が30年前におもちゃにでもと譲ったものであったことがそのことを如実に物語っている。ここ数ヵ月、ちょっとしたきっかけでやっとその気になってきたという。力の差はまだ親子ほどの開きがあるが、息子が本気になれば逆転は時間の問題であろう。

 今日で、私のニューヨークもグラジュエイションである。
 
[写真、上はグラジュエイションの風景-はげ頭がちょっと気になる、
    下は卒業証書を掲げる姉妹]