ニューヨーク・普通の生活の日記④(5/27)「ボストン・コモン」

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[エッセイ 124](新作)
ニューヨーク・普通の生活の日記④(5/27)「ボストン・コモン」

 ここボストン・コモン(Boston Common)は、全米で最も古い公園として知られている。設置されてまもなく、市民の共用の場として使われるようになったことから“コモン”という名がつけられた。私たち6人家族のボストン観光は、この美しい緑の公園からスタートした。

 息子の運転するフォードのミニバンは、孫娘たちがナーサリースクールに出かけるいつもの時間には出発できた。「トヨタやホンダがあふれるニューヨークで、なぜフォードなのだ?」「やはり、一度はフォードに乗ってみたかった。日本に帰ったら、まず乗ることはないだろうから・・」

 インターネットで検索した合理的なルートをたどりながら、フォードは東京・名古屋間をも超える長い道のりを北上していった。ボストンには何度も足を運んだという息子が、いまさらインターネットになにを教えてもらうというのだろう。網の目のように張り巡らされた高速道路をたどっていくうちに、その答えはおのずから見えてきた。

 ボストン・コモンを起点とするフリーダム・トレイル(Freedom Trail)は、旧市街の観光スポットを案内するための道しるべである。歩道の上に赤いレンガの線が引かれており、それをたどっていけば大部分の名所を迷わず訪問できる仕掛けになっている。旧市街だけなら1時間もあればゆっくりと廻れるはずが、道草上手の孫たちが相手だったため、半日近いコースになってしまった。

 マサチューセッツ州庁舎、パーク・ストリート教会、グラナリー教会、キングス・チャペル、ベンジャミン・フランクリンの像などなど、よく理解できないまま、それでもゆっくりと赤レンガをたどっていった。そして、ファニエル・ホールとよばれる建物があるあたりでとうとう日が暮れてしまった。

 ところで、話は高速道路に戻るが、アメリカのそれを走っていて路面がひどく荒れているのに驚かされる。この国の高速道路の総延長は9万キロ弱、日本の12倍にあたる。その大半、8万4千キロは通行料がタダである。この国がいくら豊かといっても、これだけの道路をすべて税金で維持するのは容易なことではあるまい。有料化の動きが一部にあるそうだが、当然の成行きであろう。

 この通行料タダということから、サービスエリアは併設されていない。インターチェンジ直前には、主なレストランやガソリンスタンドの予告看板が出ている。自由に下りて行って、食事をしてきて結構ですということである。

 それにしても、想像以上に伝統の重さを感じさせる街である。夕食は、これも伝統あるユニオン・オイスター・ハウスという有名店で、ジャンボなロブスターに舌鼓を打った。

[写真、上はマサチューセッツ州庁舎-ボストン・コモン前、
    下はボストンのダウンタウン市街]