アメリカハナミズキ

[風を感じ、ときを想う日記](26)4/22
アメリハナミズキ

 わが家には、アメリハナミズキが2本ある。しかし、成木を植えたのに、四半世紀も経った今でも花は数えるほどしかつけてくれない。

 初夏には、毎年無数の花芽をつけるが、その大半は春を待つことなく切り払われてしまう。桜もそうだが、思い切った刈り込みを身上とする和風の庭には、この木はあまり向いていないようだ。

 アメリハナミズキは、ワシントンに贈ったソメイヨシノの返礼として送られてきた。いまでは、街路の並木や公園のアクセントとして、いたるところで見られるようになった。桜につづいてもう一山、日本の春を華やかに演出してくれている。

 今年もまばらにしか咲くことのできなかったハナミズキたち、それでもけなげにわが坪庭を彩っている。樹木全体を花で覆い尽くすのが彼女たちの本望であろうが、新緑の中に見え隠れする四弁のくれないもまたおつなものである。