チューリップ

[風を感じ、ときを想う日記](25)4/20
チューリップ

 わが家のプランターには、6株のチューリップが植わっている。しかし、花が咲いるのはわずか1株だけである。その一輪も、近所の花檀で見かける華やかな姿態に比べればいかにも貧相である。
 
 この春先、軒先に吊るしておいたチューリップの球根から、新芽が出かかっているのを発見した。慌てて植えてやったのがこれらの株である。
 
 そういえば、仙台在住のころ、毎年同じ株を繰り返し植えていたら、だんだん小さくなっていった覚えがある。おまけにそれらの花びらは、赤、白、黄色がまだらに混じりあった縞模様になってしまった。

 富山の球根農家が、きれいに咲きそろった花たちを、大きな鎌で撫で切りしている光景を見たことがある。もったいないと思ったが、立派な子孫を残すためには避けて通れない過程のようである。