花祭り

[風を感じ、ときを想う日記](17)4/8
花祭り

 今日、4月8日は花祭り、お釈迦さまの誕生日である。

 この日、お寺ではお花見堂というミニチュアのお堂が用意される。その中央に、生まれたばかりのお釈迦様の立像が据えられる。お釈迦様が天上と天下を指差し、「天上天下唯我独尊」といわれているときのお姿だそうだ。
 
 お参りした善男善女は、その像に柄杓で甘茶をかけてお誕生日をお祝いする。これは、お釈迦様に天から九竜が香湯を注いだという伝説に由来するものだそうだ。甘茶は、その場でいただくほか、家族のために自宅にも持ち帰る。
 
 この行事、私が子供のころの記憶とまったく同じである。あの甘茶の葉っぱは紫陽花によく似ていると思っていたが、実際にはその仲間のヤマアジサイというものの変種だそうだ。それを乾燥し発酵させたものが甘茶の原料となる。
 
 お釈迦様の誕生日は本来旧暦のはずだが、そんなことは言わぬが花である。