桃の花

[風を感じ、ときを想う日記](15)4/6
桃の花

 いま、桃の花がきれいだ。花は、枝に沿ってビッシリとついている。桃の花は五弁とばかり思っていたが、最近は、八重桜のように花びらがたくさんついているものも珍しくない。垣根越しに見えるのは、たいていがこの種のものである。花びらの多いのは、どうやら園芸用に改良されたものらしい。
 
 花の色は、花芯の赤くなった濃いピンクと思い込んでいたが、今では白または薄いピンクのものをよく見かける。住宅地に植えられた八重の系統は、こうした淡い色調のものが大半である。
 
 果実の王様、桃にまで、園芸の手がここまで伸びてきているとは思ってもみなかった。そういえば、近在で、桃がたわわに実った風景はついぞ記憶にない。
 
 飽きもせず、上ばかり見て歩いていたら、なにやら柔らかいものを踏んでしまった。