四月の風

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[風を感じ、ときを想う日記](790)4/8
四月の風

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 ・・・いま、桃の木が濃いピンクに染まっています。春の喜びを率直に表現した明るい色調です。桃という字の「兆」は、物事の起こるしるしを意味するといわれるように、桃は新しい季節の到来を告げる花です。かつては、薬効あらたかとまでいわれたその実は、いまも果物の王様です。中国では、桃は邪気を払う神聖な果実であるとさえ信じられてきたそうです。

 古くは、大伴家持が「春の園 紅におう桃の花 下照る道に 出で立つ をとめ」と詠み、近世でも、松尾芭蕉が「わがきぬに 伏見の桃の 雫せよ」という句を残しています。花も実もあるこの果樹は、太古の昔から人々に愛され、いまもなお愛され続けています。

 できうることなら、私たちも名実ともに充実した、華のある人生を送りたいものです。・・・

 上記二句の現代訳は以下のとおり。
 
 大伴家持の句「春の庭が紅色に美しく照り輝いています。桃の花が木の下まで美しく照り映えた道に出でてたたずむ少女よ。」(「manapedia」から引用)

 松尾芭蕉の句「音に聞く伏見の桃の花よ。その美しい花の露を滴らせて、私の着物を染めてほしい。」(「Ameba」から引用)