夏至

[風を感じ、ときを想う日記](1194)6/22

夏至

 

 昨日は、二十四節気でいう夏至だった。“だった”と書なければならないほど、うっかりやり過ごしてしまいそうななにもない日である。本当は、冬至とともに一年でもっとも際だって特別な日であるはずなのに、なぜみな知らん顔をしているのだろう。この頃の行事といえば、6月末の大祓くらいである。

 

 夏至は、一日の昼間の長さが一年で一番長い日である。前日まで半年を掛けて伸びてきた昼間の長さが頂点に達し、今度は少しずつ短くなっていくという大転換に当たる日である。昼間の長さが一番長いというだけでなく、お日様が一番近くにあって直射日光が一番強い日でもある。

 

 そんなことから、理屈の上では、一年で一番暑い日となるはずでもある。ただ、地球があまりにも大きいため、それが暖まったり冷えていったりするのに時間がかかり現実には1ヵ月程度のタイムラグが存在するようだ。

 

 まあ、そんな理屈はともかく、なんでこんな大転換に当たる日にみんななにもしないのだろう。冬至については、まだ“ゆず湯に入ってかぼちゃをいただく”などの行事があるのに、こちらの夏至の方はまったくなにも見当たらない。

 

 おそらく、田植えの終わった後であり、梅雨の最中で外出もままならないことから、たまにはゆっくりしようやということになったのかもしれない。暦という“形”にとらわれず、気候変動の実態に即した行動こそ大切なのかもしれない。