一月の風

[風を感じ、ときを想う日記](1167)1/14

一月の風

 

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 

 ・・・新しく迎えた卯年のキャラクターはウサギです。ところがその兎は、かつてはたくさんの誤った認識をもたれていたようです。

 

 例えば、ウサギは“1羽2羽”と数えるということです。江戸時代、町人たちは肉食を禁じられていたので、それを“鳥”ということにして食べたといいます。一方、あれは“鵜と鷺”だから“羽”と数えるのだとか、捕まえた兎は耳を束ねてぶら下げるので“1把2把”と数えるのだなどともいわれていました。

 

 ほかにも、“水を飲むと死ぬ”とか“寂しいと死ぬ”、あるいは“声を出さない”などとも信じられていたようですがいずれも誤解のようです。12年ぶりに帰ってきた兎さん。すっかり誤解の解けたウサギチャン。これからも、みんなでうんと可愛がってあげましょう。・・・

 

 こうして書いてみると、ウサギはきわめて身近な生きもののように思われる。事実、子供のころはそうだった。小学校はもちろん、自宅でもご近所でも飼っていた。しかし、それ以降はまったく違う。もう何十年も、実物のウサギには触ったことがない。それどころか、見たことさえないのだ。

 

 こうした意識と現実のギャップは、どうすれば埋めることができるだろう。卯年を機に、いい方法はないものか改めて考えてみたい。