メジロの営巣放棄

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f:id:yf-fujiwara:20210710175628j:plain[風を感じ、ときを想う日記](1048)7/10

メジロの営巣放棄

 

 先月の10日、この日記にメジロが今年も営巣を始めたと書いた。その前々日まで、メジロはさかんに出入りしていたが、その翌日になるとまったく姿を見せなくなってしまったとも書いている。以来、1ヵ月間というもの、わが家の庭では一度もメジロの姿を見かけたことはない。

 

 昨日、脚立を出してそのメジロの巣を覗いてみた。巣はきれいに出来上がっていた。巣は枝と枝の間に、ぶら下げるように固定されていた。外側は集めてきた植物の繊維でぐるぐる巻きにし、蜘蛛の巣でしっかりと固められていた。そして内側は、お椀状に仕上げられ、あたかも小さなゆり籠のようであった。

 

 中はやはり空っぽで、使われた形跡はまったくなかった。今年も営巣は放棄されたようだ。せっかく完成させているのに、なぜそこを使わなかったのだろう。作ってみたが、出来映えが気に入らなかったのだろうか。つがいが仲違いでもしたのだろうか。あるいは、産卵にはちょっと早すぎたのだろうか。

 

 あたりは静かで、営巣の邪魔になる環境にはないはずである。カラスなどの外敵がそこを狙っていた様子もない。もちろん、わが家の住人が営巣の邪魔をした記憶など毛頭ない。一体なにが気に入らなかったというのだろう。

 

 2年続けての営巣断念である。われわれ住人にとってはこんな残念なことはない。来年こそはという気持ちで、メジロのまたの来訪を待ち望んでいる。