二度目の開花・金木犀

風を感じ、ときを想う日記(1145)10/17

二度目の開花・金木犀

 

 黄色い小さな花が、まるで香水でも振りまいたかのような、えもいわれぬいい香りを放ちながら二度目の満開を迎えた。そのキンモクセイは、近年、二度咲きが当たり前になったようだ。昨年など三度も咲いてみんなを驚かせた。どうして何度も咲くようになったのだろう。明確な説明には出会えていないが、うれしいような、それでいて「木は大丈夫かな」という心配も頭から離れない。

 

 いまは紅葉が進行するときで、逆に花は一年で一番少ない季節である。それだけに、あのいい香りの花が何度も咲いてくれることには心底から感謝しなければなるまい。まして、あまり歓迎したくないセイタカアワダチソウが、いま開花の時期を迎えている。自家中毒のせいだろうか、一時ほどの派手さはなくなったが、あの勢いを牽制する意味でも香りの花の開花は大変ありがたいことだ。

 

 それにしても、キンモクセイといい、セイタカアワダチソウといい、花の色は黄一色である。おまけに、広葉樹は落葉の時期を前に、その葉っぱを少しずつ黄色に変えている。葉っぱだけではない。近所の庭に植えられた柿やミカンの実まで黄色く色づき始めている。町内はまさに黄色のオンパレードといっていい。これで緑の葉っぱが散ってしまったら目も当てられない。

 

 しかし、自然とはよくしたものだ。木々の半分を常緑樹で占め、緑をきちんと維持しながらわたしたちの繊細な情緒を守ってくれている。