九月の風

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f:id:yf-fujiwara:20210907080311j:plain[風を感じ、ときを想う日記](1060)9/7

九月の風

 

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 

 ・・・9月21日は旧暦の8月15日、中秋の名月にあたります。お猪口片手にゆっくりと楽しみたいものですが、必ず眺められるとは限りません。そこで、もしそれが叶わなかったら、翌晩の十六夜の月を見逃さないようにするのが“風流人”の務めだそうです。

 

 ところで、十六夜をなぜ「いざよい」と読むのでしょう。辞書には、いざようこと、ためらうこと、ちゅうちょすること、と説明されています。別の本には、満月の翌晩は月の出がやや遅くなるのを、“月がためらっていると見立てたもの”という説明がありました。

 

 十六夜の月は、完全な円から少し欠けており、かえって親しみが持てるのかもしれません。せっかくの名月です。いざようことなく、しっかりと秋の夜長を楽しみましょう。・・・

 

 ところで、今日は旧暦で8月1日、月齢は0歳、新月と呼ばれるまったくの闇夜である。月は、明日から少しずつ満ちていき、21日には満月を迎える。日が暮れると、ゆうゆう通信に書いた中秋の名月が東の空に現われる。

 

 当日必ず晴れるとは限らないが、こうした十六夜などという気の利いた予備日を設けてもらえると、気持ちも楽になるというものだ。