十六夜の月

[風を感じ、ときを想う日記](919)9/15

十六夜の月

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 今年の中秋の名月は一昨夜、9月13日の夜ということになっていた。しかし、あいにく厚い雲に覆われそれを愛でることはできなかった。昨夜も、半ば諦めかけていたが、一転してその美しい姿を仰ぎ見ることができた。

 

何十回と眺めてきた名月だが、その透き通るような輝きは、いまにも吸い込まれそうな美しさである。その背後に広がる真っ暗い大宇宙が、月の美しさをいっそう浮き上がらせてくれている。


 中秋の名月は、旧暦8月15日の月のことで、今年は9月13日がそれにあたる。しかし、暦をよく見ると、月が完全な円になるのは9月14日の13時33分となっている。月が真円の「望」に近いのは一昨夜より昨夜の方だったのだ。


 昔の人は、旧暦十六日の夜の月のことを「いざよいのつき」と呼んだ。満月の翌晩、つまり十六夜は月の出が前夜より50分ばかり遅くなる。それを、月が出てくるのをためらっていると見立てたものらしい。


 さっそく、その美しい姿をカメラに収めようと準備を始めた。しかし、バカチョンカメラではズーム機能にも限界がある。真っ黒い画面の中央に、ポツンと明かりらしき小さな点が一つあるだけではまったく絵にならない。


 やむなく、月と縁の深いウサギに助けを求めることにした。あの、イギリスからやってきたピーターラビットに、である。