台風15号の爪痕

[風を感じ、ときを想う日記](918)9/9

台風15号の爪痕

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 台風15号は、発生以来予報どおりの進路をたどり、いわれたとおりの時間帯に通過していった。こちらは、準備をしっかりしておかなければと思いながら、やったのは植木鉢の片付けくらいだった。ネットでは避難情報がしきりに流されていたが、やはりわが家だけは大丈夫だろうと意図的に見過ごした。


 意外と静かな夜を迎えた。案外何事もなく通り過ぎていってくれるのではなかろうか。ところが、丑三つ時あたりから急に強くなり、風が建物を揺らす振動と、雨がたたきつける音で安眠を妨げられた。夢うつつに聞いていると、吹き付ける風の向きが少しずつ変化していくのが手に取るように判った。


 一夜明け、家の周りを見回してみた。お隣の車庫の波板が一枚飛んできていたが、わが家の物的損害は取り立てて見当たらなかった。ただ、庭にはやたらたくさんの葉っぱが散乱していた。前日、植木屋が剪定にきてくれていたので、枝に引っかかっていた残骸が落ちてきたのだろう。


 汗だくになりながら、散らかっているものを片付けた。ちょうど、ご近所の人も総出で、片付け作業に精を出しているところだった。大きなゴミ袋一つでは間に合わず、二つ目が必要だった。それにしても、やたらと蒸し暑つかった。


 ふと見上げると、ハナミズキの木が裸同然になっていた。一つ目の袋の半分以上はこの木のものだった。ここだけは、いち早く晩秋がやってきたようだ。