今年の梅ジャム

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](518)7/1
今年の梅ジャム

 旅行に出かけている間にも、季節は着実に進んでいた。わが家の庭の、梅雨どきの恵みである梅が、一週間あまりの間にその様相を一変させていた。出かける前、まだ青々としていた実が、ひと回り大きく表面はすっかり色づいていた。ジャムを作るにはちょうどいい頃合いである。

 時差ボケをこらえ、さっそく収穫に取りかかった。下から見える範囲は、脚立を4~5段上っただけで簡単に採れた。スーパーのレジ袋が、黄色い梅の実ですぐいっぱいになった。

 さあ!これからが大変、と思いさらに上を見上げた。でも、その辺りに実は見あたらなかった。“冗談でしょう”とつぶやきながら、つまさき立って繁みを探してみた。しかし、一粒たりとも見つけることはできなかった。結局、今年はそれでおしまいだった。レジ袋の重さは3キロ弱、史上最悪の収穫だった。

 そういえば、この梅の花が実るころ、台風並みの大風に襲われた。あのとき、風当たりの強い部分はことごとく吹き飛ばされてしまったようだ。最後まで生き残ったのは、下の方のほんの少しの部分にとどまっていた。この木の最高記録18キロに比べ、6分1の収穫にすぎなかった。

 それでも、家内はいつものとおり梅ジャム作りに精を出してくれた。例年になく貴重なジャムが出来上がった。