九月の風

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[風を感じ、ときを想う日記](654)9/8
九月の風

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 ・・・ある日、竹取りの翁は光る竹を見つけました。そこには、三寸ほどのかわいい女の子がいました。翁夫婦は、その子を自分たちの子供として大切に育てました。かぐや姫と名付けられたその子はどんどん大きくなり、3カ月ほどで大変美しい娘に成長しました。

 やがて、噂を聞いた若者たちが、求婚しようと押し掛けてくるようになりました。なかでも、5人の公達の皇子がとくに熱心でした。しかし、彼女は月の人であり、3年後の満月の夜には月に帰らなければならなかったのです。そして、とうとうその日がやってきました。

 9月8日(旧暦8月15日=十五夜)は中秋の名月です。縁側で、月を眺めながら一献傾けてみてはどうでしょう。ひょっとすると、月に帰っていくあのかぐや姫の姿が見られるかもしれません。・・・

 美しいお月さまも雲にはお手上げだ。それでも、昔の人は辛抱強く待った。十五夜がだめなら十六夜(いざよい)、その次の日なら「立待月」、さらに次なら「居待月」、もっと待つなら「臥待月」、そして旧暦20日の夜まで待つなら「更待月」と名前までつけて待ちに待った。

 今年は、台風14号の影響で「待ちぼうけ月」ということになりそうだ。