急ぎ足の花々

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[風を感じ、ときを想う日記](1036)5/25

急ぎ足の花々

 

 先日、“季節よ、そんなに急がないで”とこのブログで訴えたばかりなのに、その気ぜわしい花の移り変わりは一向に落ち着く気配がない。つゆどきの代表的な花であるアジサイもそんな花の一つである。オッ、咲き出したな、と思っているうちに、開花はまたたく間に中盤までさしかかった。

 

 咲きはじめているのはアジサイだけではない。なんとユリまでが満開を迎えようとしている。散歩の途中、あちこちでその開花ぶりに目を見張った。もちろん、種類によってズレはあるが、ユリの気の早さもアジサイに負けていないようだ。いま咲いているのはそんな種類かもしれないが、それにしても早すぎる。

 

 もう13年も前になるが、エッセーでユリのことを詳しく書いたことがある(2008,7,14付け、エッセー214号)。そのときは、7月14日時点で、「もう1カ月近くも咲いている」と書いている。要するに、ユリはアジサイなどとともに梅雨空を彩る地上の花のようだ。

 

 今年は、人の混み合う有名な場所には行くことができない。そこで、どこかアジサイやユリがきれいに咲いている穴場でも探してみようと考えていた。しかし、こんなに慌ただしくては、考えているうちに花は終わってしまいそうだ。

 

 さいわい、日本には古来より借景という文化がある。ご近所の庭と玄関脇の鉢植えを名園に見立てて、それらの美しさを堪能させてもらうつもりである。