[風を感じ、ときを想う日記](939)1/2
わが家の元旦風景
雑煮に箸をつけようとお椀を手に取った瞬間、「あっそうだ、今年もダブルダイアモンド富士が見られるはずだ」と気がついた。急いでNHKからテレビ朝日に切り替えた。水面に氷が張っていない代わりに、カモが泳ぎ回っていた。このままだと、湖面が波立って富士がきれいに写らないと、みな心配していた。
8時2分、見事なダブルダイアモンド富士が画面に現われた。これで、今年のオリンピックは成功を約束されたようなものだ。心配していたカモは、いつの間にか別の所に退いていた。こちらも少しばかり興奮していたようだ。「餅を喉に詰まらせないよう、小さくちぎって食べなければだめよ。なにしろ高齢者なのだから」と声が飛んだ。それでも、餅は大きくぱくつかなければうまくない。
白旗神社に初詣に向かう道々は、犬のほか人の姿は見られなかった。予報では寒いと聞かされていたが、風もなくうららかなお正月だった。拝殿は二つに区切られ、昨年のような長蛇の列は見られなかった。今年もきっといい年になるはずだ。この分だと、年賀状の整理や返信にもゆっくりと時間がとれる。
朝からの、純和風の世界から、夕食後は一転ワルツやポルカの世界に変った。テレビ画面では、恒例のウィーン・ニューイヤー・コンサートが始まった。短いものが多く、飽きが来る前におなじみの曲が次々とあらわれる。最後は、例年どおり威勢のいいラデツキ―行進曲で締めた。今年も春から元気が出そうだ。