島田市ばらの丘公園

イメージ 1

イメージ 2

[エッセイ 465]
島田市ばらの丘公園

 町内の高齢者クラブでは、かつては年1回の初詣ツアーを実施していた。昨年は、1月18日に箱根神社三嶋大社をダブル初詣する予定になっていた。ところが、当日の朝になって急遽中止となってしまった。前夜からの大雪で、目的地までの幹線道路が通行止めとなってしまったのだ。他の場所ならいざしらず、“天下の険”の峠越えなので諦めざるをえなかった。

 その初詣の代わりとして実施されたのが甲府盆地奥多摩方面を巡る日帰りのバスツアーだった。紅葉のきれいな11月22日までの10ヵ月間延ばして実施された。ちょうどお天気の安定している時期でもあったので、メンバーには結構評判が良かった。ただ、秋には、町内の自治会でも同じようなバスツアーを行っており、参加メンバーもおおかたが重複している。

 そんな経緯を経て春に実施されたのが、5月29日の高齢者クラブのバスツアーである。今回の目玉は、「島田市ばらの丘公園」であった。周辺の名所旧跡も含まれてはいたが、このバラの名所一点に絞られていたといっても過言ではない。静岡県の、島田市郊外の丘陵地帯にそのバラ園はあった。南に面した斜面に、花壇がしつらえられ、丘の最上部には尾根に沿って温室も設置されていた。

 一番下のメインゲートを抜けると、段々畑風に拓かれたバラの園が180度の視界いっぱいに広がった。白、赤、黄などありとあらゆる彩りのバラの花が、見事なコントラストを成して今を盛りと咲き誇っている。色を楽しませるだけでなく、かおりにポイントを置いたものや、「プリンセスミチコ」など有名人にちなんだ種類も数多く植えられていた。

 私たちに許された見物時間はおよそ45分間だった。花の形を楽しんだり、色を愛でたり、かおりに酔いしれたりしているうちにそんな時間はあっという間に過ぎてしまった。途中で出会った同行者から、「プリンセスミチコを見物した?」といわれ、あわててそちらに足を向ける場面もあった。そういえば、「クイーンエリザベス」や「ジョンFケネディ」と名付けられた花もあったというが、これらはうっかり見逃してしまった。

 このバラ園は、島田市が切りバラの産地であることから、それにちなんで平成4年に開園したものだそうだ。広さは1.9ヘクタール、植えられているバラの種類は360種、そして植えられている数は8,700株にも上るそうだ。温室も結構広く、1,000平米はあるという。花のピークをやや過ぎたかな?といった時期ではあったが、すてきなバラを存分に楽しむことができた。

 付帯設備として、バラにちなんだ工芸品コーナーやレストランも用意されていたが、時間の関係でそれらを楽しむことができなかったのが心残りである。
(2017年6月11日)