フジ三昧

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[風を感じ、ときを想う日記](690)5/2
フジ三昧

 いま、薄紫色のフジの花が満開である。住宅街の公園はもちろん、自宅の庭にフジ棚を設置している家もある。フジはきわめて身近で、手軽に楽しむことのできる花だ。今回は、もう少し規模の大きな棚を楽しもうと、ウォーキングを兼ねてフジ棚のハシゴを試みてみた。

 最初に訪問したのは農家の庭先である。シーズンになると、そこを一般に開放してくださる。庭全体を覆うように棚が作られている。下にあまり陽が差し込まないためだろうか、花の房は細長く垂れ下がっている。かつてブログに書いたことのある“花の簾”という表現が今年もぴたりと当てはまる。

 次に訪れたのは大庭城址公園である。桜の植えられた大きな広場を囲むように、2カ所にフジ棚が設置されている。棚の柱は西洋風のタイル張りで、しゃれた雰囲気を漂わせている。その公園の、別の場所にある花のゾーンにも2連置かれている。バラが終わり、ツツジを追うようにフジがいま満開である。

 最後に訪れたのは引地川親水公園である。こちらは、川を挟んで両岸にフジ棚が設置されている。植えられてまだ年数が浅いためだろうか、花の房はやや小ぶりで、花の咲き具合も大庭城址公園より少し遅れているようだ。

 公園にフジ棚はつきものだが、その棚のあり方も、あの花房の形状も、そして薄紫色の花の色も、日本人の情感とは通じるものが多いようだ。