初物づくし

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[風を感じ、ときを想う日記](745)4/30
初物づくし

 あらゆるものが燃えあがるように、自然界ではいま、植物たちが一斉に芽を吹きだし始めている。これら新芽の多くは和え物に向いているようだが、タラの芽のようにてんぷらにするといっそうおいしくいただくこともできる。

 これら新芽の中でも、最も大物といえるのがタケノコであろう。町の青果店なら、どこにでもたくさん並べられている。いずれも4~500円の値段が付いているが、少人数の家庭でいただくには少々荷が重すぎる。

 先日、農家の露店に出来の悪い貧相なタケノコが並べられていた。どうみても、あまりうまそうには見えない。それでも、100円を投じて買って帰ることにした。いくら粗末に見えても、旬は旬、初物は初物として賞味に値するはずだからである。ついでに、その隣にあった菜の花の芽も買うことにした。

 そういえば、タケノコはフキやさつま揚げと煮るとうまいといわれている。フキくらい、お店で買わなくても散歩のついでにあぜ道や土手でいくらでも手に入る。期待通り、それはすぐに見つかった。さすがにさつま揚げは道端に転がっているはずもないので、帰途スーパーで買い求めることにした。

 かくして、タケノコはフキやさつま揚げとともに煮ものにした。菜の花の芽はゴマ油を使った和え物として賞味した。そのせいだろうか、寿命がまた少し延びたような気がする。